
うな表情を示し、心的に不安定な状態にあることも時折あった。
b)脳波
イ)静止フェーズ
静止フェーズにおいて,脳波はきわめて良好に測定された。脳波測定部位が限定されたため、部位による違いを分析することは難しいが、Co,Po,P3、P4ともに、実験開始間もなく、サルが緊張して静かにしているとき、その状態に対応すると思われるやや早い波(20サイクル以上)が全般に測定された(図2.2.4−4)。
実験が進行し,当日最後の静止フェーズに該当する第3クール第5静止フェーズでは、サルは緊張をかなり和らげている様子であった。このときの脳波は、覚醒安静の状態に対応すると思われる、やや遅い波(10サイクル前後)が全般に測定された。(図2.2.4−5)。
以上のように、サルは静止フェーズにおいて、おもに覚醒緊張か覚醒安静の状態にあると思われた。実験の進行とともに,サルは覚醒緊張から覚醒安静へと全般に移行したとみられるが、脳波上、それを断定することはできなかった。また、静止フェーズにおいて、揺れフェーズの後遺影響を脳波上認めることはできなかった。
全体としてみると、静止フェーズの脳波は、揺れフェーズの脳波と異なっていると言える。

図2.2.4−4 第1クール・第1静止フェーズ、
開始後間もなくにおけるCo部位の脳波
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